引っ越しや買い替えなどで今まで使っていたガスコンロが不用になったものの「捨て方が分からない」「どれくらい費用がかかるのか」と処分について悩む人は意外と多いです。
この記事では、ガスコンロの処分方法や処分費用、捨てるタイミングなどを紹介します。
種類によっては無料で処分できる場合もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
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ガスコンロの正しい8つの処分方法
まずはガスコンロの正しい処分方法を8つ紹介します。それぞれのメリット・デメリットを知って、ご自身に合った処分方法を選んでください。
粗大ごみとして処分する
ガステーブルコンロ=据え置き型のガスコンロは、自分でガスホースを外して粗大ごみに出すことができます。
粗大ごみとして回収(戸別収集)してもらう手順は次の通りです。
【粗大ごみとして捨てる場合の手順】
- 電話やインターネットなどで戸別収集を申し込む
- 粗大ごみ処理券を購入する
- ガスコンロに粗大ごみ処理券を貼り、指定された収集日時に搬出しておく
- 玄関先などの指定された場所に搬出しておくと、作業員が回収してくれる
処分費用は自治体によって異なりますが、およそ300円~1,000円程度の自治体が多いです。申し込み手続きやゴミ処理券の購入、運搬などの手間がかかるのが難点ですが、安く処分できるのがポイントです。
一方、システムキッチンなどに組み込まれている「ビルトインコンロ」は、ガス管接続と取り外しに資格が必要なため自力で取り外すことはできません。
有資格者が取り外したとしても粗大ごみとして処分できない自治体もあるため、取り外し作業を担当した業者に処分を任せるのが一般的です。
リサイクルショップに売却する
製造から10年以内の状態の良いガスコンロであれば、リサイクルショップで買い取ってもらえる場合があります。売却できれば処分費用は無料になるだけでなく、臨時収入になるのが特徴です。とくに、引っ越しが増えてニーズが高まる3月頃に買取価格が上がる傾向にあります。
なお、リサイクルショップでできるだけ高く売却するには、油汚れなどをできるだけ落として綺麗な状態にしておくのが重要です。一目で汚れていると判断されるような状態のものや、10年以上前の古いモデルは買い取りしてもらえない可能性が高いです。
また、「全口安全センサー」が付いていないものは現在販売禁止となっており、一律買取不可となるので注意してください。
フリマアプリやネットオークションに出品する
近年ではフリマアプリやネットオークションで自宅から手軽に出品する人が増えています。梱包や配送の手間がありますが、リサイクルショップよりも高値で売れる可能性があります。
ただし、すぐに買い手がつく保証はなく、確実に売れるとも限らないため、急いで処分したい人には向いていません。
また、ほとんどのケースで配送料は出品者側の負担となるため、送料を加味して出品価格を設定する必要があります。
不用品回収業者に処分してもらう
不用品回収業者に依頼すると、都合の良い日時をこちらで指定できて、自宅まで回収に来てくれます。また、家具や家電などの不用品もあわせて処分できます。
不用品回収業者は費用負担が数千円かかるが、複数の不用品を一度に回収してほしいときや、急ぎで処分したいときに便利です。
ただし、なかには無許可で不用品回収を行っている業者もいるため注意が必要です
「産業廃棄物処理業」や「古物商」の許可だけではガスコンロなどの廃棄物は回収できないことになっています。必ず「一般廃棄物処理業」の許可を受けている業者を選ぶようにしてください。
産業廃棄物処理業者に処分してもらう
産業廃棄物処理業者は、法律で指定された廃棄物を収集・運搬し、安全に処理・処分する専門業者です。
産業廃棄物処理業者はガスコンロを「金属くず」として取り扱っていることが多く、自宅まで回収しにきてくれるのが一般的です。
専門業者かつ、自宅までの回収に人件費がかかることもあり、回収費用は高くなる傾向があります。
引っ越し業者に処分してもらう
引っ越しに伴ってガスコンロを捨てたい人は、引っ越し業者に処分してもらうこともできます。引っ越し直前までガスコンロを使いたい場合にも便利な方法です。
ただし、回収できない業者も多いため注意してください。回収費用も業者によって異なるので、見積もりの段階で聞いておくと安心です。
以下に主要な引っ越し業者の買取・回収対応についてまとめていますので、参考にしてみてください。
業者名 | 買取・回収対応 |
ヤマト | 買取×回収〇 |
アート引越センター | 買取・回収ともに× |
サカイ引越センター | 買取△(ダンボール58cm×39cm×41cmに入るもの)回収△(エリアによる) |
日本通運 | 買取×回収△(エリアによる) |
アリさんマークの引越し社 | 買取△回収△(代行のみ対応) |
買い替えの際に購入店に回収してもらう
ガスコンロを新しく買い替える場合、販売店によっては不要になったガスコンロを無料で引き取ってくれることがあります。
購入店に持ち込む手間はかかりますが、処分費用は無料なので、「できるだけ費用を抑えたい」という方に適した方法です。
ただし、「処分するガスコンロと同じ製品を購入した場合のみ回収可(引き取りのみは不可)」「通販での購入時のみ回収可」など、条件付きでの引き取りとなることが多いです。
友人、知人、家族にゆずる
「不用になったがまだ使えるので、捨てるのはもったいない」という場合は、友人、知人、家族にゆずるという方法もあります。
無料で処分できるだけでなく、相手も無料で手に入れられるので、お互いにメリットがある方法です。
譲る前には製品が問題なく作動するかを確認し、油汚れなどをきれいに落としてから渡すようにしてください。
譲った直後に故障するなど安全性に懸念のある状態で引き渡したり、明らかに汚れている状態で譲ったりするとトラブルになる可能性があるので要注意です。
ガスコンロを処分する際の6つの注意点
ここからは、ガスコンロを処分する際の注意点を6つ紹介します。
火気厳禁
まず、ガスコンロは危険物という認識をもつことが大切です。普段は安全に使用できているとしても、自分でガスコンロを取り外すときは細心の注意をはらってください。
例えば、取り外し作業中にタバコを吸うなどの行動は厳禁です。また、念のため電気のスイッチなども触らないようにしておいてください。
ガスコンロを自分で取り外すときは、手順を守り、周りの環境にしっかりと配慮して作業しなければなりません。とくに、火災を引き起こす原因になるため火気には十分に注意して作業してください。
ガスホースを取り外す前に元栓を閉める
ガスコンロを取り外すときは、必ずガスの元栓を閉めてから、ガス栓からホースを抜くようにしてください。
ホース内にもガスが残っていることがあるため、一度コンロの火をつけてその火が自然に消えるのを確認しておくと安心です。なお、ホースが硬化している場合は無理に抜こうとせず、ハサミやカッターで切ってください。
また、キッチンに組み込まれているビルトインコンロの取り外しには専門資格が必要です。そのため、ビルトインコンロは必ず業者に依頼しなければなりません。ガスコンロは基本的にそのまま捨てると危険なので、作業になれていない人は業者に依頼するのが安心です。
ガスホースを無理に引っ張らない
ガスホースは元栓としっかりつながっているため、取り外そうとしても硬くて外れないことがあります。抜けないからといって無理に引っ張ると思わぬケガが発生する可能性もあるため、取り扱いは慎重に行ってください。
どうしても外れない場合は、ハサミなどでホースを切断し、縦に切り込みを入れて裂くと簡単に取り外せます。
ガス抜きをする
ガスホースを取り外したあとはガス抜き作業が必要です。ホース内にガスが残っている可能性があるため、ガス抜きをしないまま放っておくと引火する可能性があります。
手順を守って取り外し作業を実施してください。
ビルトインコンロの処分は業者に依頼する
「ビルトインコンロ」の場合、自分で取り外すことはできません。
ビルトインコンロとは、キッチンに埋め込まれたコンロのことで、取り外し直前までの作業は自分で行っても構いませんが、現場の状況次第で「簡易内管施工士」や「電気工事士」といった資格が必要になることがあります。
専門資格をもつ業者に作業してもらった場合は、取り外しとビルトインコンロ本体の処分費用はおおよそ1,000〜3,000円が必要となります。
不法投棄で罰金が科される場合もある
これまで紹介してきた通り、ガスコンロは決められた手順でゴミとして捨てるか、専門業者に回収してもらうという方法があります。
ゴミの分類をせず適当に廃棄すると、不法投棄とみなされて罰金を科せられる可能性があります。不法投棄とみなされた場合は「五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金」が科せられます。
粗大ゴミとしてゴミ回収に出した場合の費用は300円〜1,000円と、費用負担が大きいわけではないので、必ずルールに従って処分するようにしてください。
ガスコンロの処分費用
ガスコンロには、「テーブルコンロ」と「ビルトインガスコンロ」の2種類があります。粗大ゴミとして捨てる場合の費用は、自治体によって異なります。
例えば東京都新宿区の場合、据置型と卓上用のガスコンロなら400円で処分できます。
無料で回収してくれるところもあり、自家用車で運搬が可能であれば、ゴミ処理場に直接持ち込んでも構いません。
ビルトインガスコンロは、設置や取り外しには専門資格を保有した業者による工事が必要となるため、別途取り外し・回収に費用がかかり、1,000円~3,000円程度の費用がかかります。
安全にガスコンロを処分するタイミング
ガスコンロやガス給湯器の寿命は、約10年が点検・取り替えの目安とされています。古くなったものをそのまま使っていると、次のようなリスクがあるので注意が必要です。
- 機器や配管からのガス漏れによる火災
- 燃焼初期の異常着火による爆発
- 不完全燃焼による一酸化炭素中毒
まだ数年しか使ってないのに火がつきにくいなどのトラブルがある場合は、配管や電池に問題がある可能性もあります。
乾電池の寿命は約1年で、乾電池を入れた時期が分からない場合は、販売店に問い合わせてみてください。
まとめ
ガスコンロを処分したい場合、粗大ゴミとして処分するほかに、リサイクルショップに持ち込んだり、フリマアプリで売却したりと方法はさまざまです。
家具や家電などの不用品があったり、ガスコンロをすぐにでも処分したい場合は不用品回収業者に依頼するのが最も簡単で手間のかからない方法となります。
また、ガスコンロの取り扱いは火災の危険をともなうため、周囲の安全を確保してから行う必要があります。種類によっては、有資格者が設置・取り外し作業をしなければならないため、お持ちのガスコンロの種類を確認してから処分してください。
株式会社クオーレ
整理事業部・東海支部支部長
倉持 恵吾
6,000件以上の遺品整理や不用品回収のお悩みを解決してきた現役の遺品整理士。
2017年株式会社クオーレに入社後、4年目にして全支店1位の売上、見積もり成約率で表彰される。そろばん、販売士の資格を活かした幅広い知識で不用品回収から遺品整理、ゴミ屋敷片付けまでお客様の要望に寄り添った解決策を提案している。