「部屋を片付けるのが苦手」
「どうすれば片付けられるようになる?」
片付けが苦手で、気づけば部屋が散らかっていると悩む人もいるでしょう。部屋を片付けられない理由は、片付けや整理整頓が苦手なだけではなく、精神面の問題が深く関わっているケースも多くみられます。
そこで、本記事では片付けられない精神状態について詳しく解説します。きれいな部屋の作り方や片付けるメリットについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
もくじ
もくじ
片付けられない人の精神状態4選
片付けられない人には、共通する精神状態が4つあります。
- いつもイライラしている
- ぼーっとしていて無気力
- 1つの物事に集中するのが難しい
- 寂しさや孤独を抱えている
なぜ、精神状態が片付けられない状況に影響するのか解説します。
いつもイライラしている
イライラしていると集中力が低下し、片付けに取り組む意欲も削がれるため、手が動かなくなることが多くみられます。また、イライラしていると家事よりもストレス解消を優先しがちで、友人と飲みに出かけたり、ゲームに夢中になったりと片付けを後回しにしてしまいます。
イライラする原因は、仕事や家庭の問題・人間関係のトラブルなどさまざまです。イライラしている状態が続くと、片付けのハードルはどんどん高まり、やる気を失うという悪循環に陥りやすくなります。
ぼーっとしていて無気力
仕事が忙しかったり、夜遅くまで働いていたりすると、帰宅後には無気力になるため、片付けられない人が多くみられます。無気力感に悩まされるのは、ストレスの多い現代社会では珍しくありません。例えば、せっかくの休日でも疲れを回復すべくダラダラ過ごし、1日を無駄に過ごした経験がある人もいるでしょう。
無気力感は、環境の変化や心身の疲労などで自律神経のバランスが崩れることも影響します。自律神経の乱れは、無気力感が増すため、片付けたい気持ちがあっても行動できなくなってしまいます。
1つの物事に集中するのが難しい
ADHD(注意欠陥・多動性障害)を持っていると、注意があちこちに移りやすく1つの物事に集中するのが難しい人もいるでしょう。例えば、本を片付ける際に表紙が気になり読み始めたり、クローゼットの整理中に昔の洋服を試着し始めたりして、気づけば何時間も経過していることがあります。
そのため、片付け始めても途中で手を止めてしまい、作業が中途半端に終わることが多いです。
寂しさや孤独を抱えている
人は寂しさや孤独を感じると、心に空いた隙間を埋めるために物に依存することがあります。例えば、家族や友人と疎遠になり孤独を感じると、無意識に物を集めて空虚感を埋めようとする症状です。その結果、物がどんどん増え、部屋がゴミ屋敷のように散らかるケースも少なくありません。
物に囲まれると安心感を得られますが、実際には物で散らかった空間がストレスを増大させてしまうこともあります。
片付けられない5つの心理的要因
部屋を片付けられない原因の根底に関わる心理的要因は、以下5つです。
- 日常生活での過度なストレス
- うつ病など精神疾患がある
- 病気をわずらっている
- もったいない精神が強すぎる
- 完璧主義や潔癖症
これらの心理的要因について詳しく解説します。
日常生活での過度なストレス
仕事のプレッシャーや家庭内のトラブル・人間関係の悩みなどの日常生活における過度なストレスは、片付けられない大きな要因の1つです。ストレスがたまると、目の前の課題や問題に意識が向き、家事や片付けが後回しになりがちです。
また、遺伝的要因や大きなストレスが原因で発症することがある「統合失調症」にも注意が必要です。統合失調症になると思考や行動のまとまりが欠如し、物を集めるようになったり、片付けへの関心を失ったりすることがあります。
うつ病など精神疾患がある
うつ病は気分が落ち込み、やる気が起きなくなる精神疾患で、仕事や趣味だけでなく食事や入浴などの生活行動すら困難になります。このような状態では、片付けや掃除などの日常的な家事を行うこともままなりません。
また、集中力が続かなかったり、疲れやすかったりするため、なんとか片付け始められても最後までやり遂げるのが難しくなります。
誰でも日常生活の中で憂鬱な気分になることはありますが、通常は時間が経つと気分は回復します。しかし、特に理由がないのに「元気が出ない」「疲れやすい」「気分が上がらない」といった症状が続く場合は、うつ病の可能性も考えられるでしょう。
病気を患っている
慢性的な痛みや疲労を伴う身体的な病気を患っていると体力やエネルギーが著しく低下し、動くこと自体が億劫になるため、片付けが困難な場合があります。
他にも、以下のような病気も片付けられない原因になることがあります。
- 認知症:記憶や判断力などが低下する主に高齢者に見られる病気
- 強迫性障害:不安を取り除こうと何度も同じ行動を繰り返してしまう病気
- セルフネグレクト:自分の健康や生活を維持するためのケアを放棄してしまう病気
これらの病気を患っている場合は、専門の医療機関を受診が必要です。専門医による適切な診断と治療を受けることで、片付けや日常生活に取り組む余裕が生まれてくるでしょう。
もったいない精神が強すぎる
もったいない精神が強すぎると、物がどんどん増えて部屋が散らかる原因となります。物を捨てることに対する抵抗感を指す「もったいない精神」は、日本文化に根付いており、物を大切にする価値観から由来している場合が多いです。
例えば、使わなくなった衣服や家具、賞味期限が近い食品などを「まだ使える」「捨てるのはもったいない」と手放せないことがあります。「捨てたら後悔する」という抵抗感は、片付けの意欲を削ぐ要因の1つとなるでしょう。
完璧主義や潔癖症
完璧主義や潔癖症も片付けられない要因の1つです。完璧主義は片付けに対して高い基準をもつケースが多く、完璧な状態でなければ気が済まない人が多いです。そのため、片付けのハードルが高くなり、行動を起こしにくくなることがあります。
また、周囲の人に相談したくても自分の状況を知られるのを恐れ、片付けを諦めるケースもあります。
一方、潔癖症の場合は「自分以外のものはすべて汚い」と感じ、片付けられないことが多いです。例えば、床に落ちているゴミやほこり、他人が触れた可能性があるドアノブやリモコンなどにも不快を感じる場合があります。極度の潔癖症は、強迫性障害の一種と見なされることもあります。
片付けられる精神状態に近づける方法
片付けられる精神状態に近づける方法は、以下4つです。
- 片づけられない自分を受け入れる
- ストレス発散法を見つける
- 周囲に相談してみる
- カウンセリングや病院を受診する
少しでも片付けられるように、ぜひ参考にしてください。
片付けられない自分を受け入れる
改善への第一歩は、片付けられない自分を受け入れることです。片付けられないからといって自己嫌悪に陥る必要はありません。自分を否定するのではなく、今の自分を認めることで、少しずつ心の余裕が生まれます。
「今は片付けられないけれど、いつかできるようになる」と前向きな気持ちを持ちましょう。
ストレス発散法を見つける
ストレスを抱えていると集中力が散漫になり、片付ける意欲が低下します。まずは、自分に合ったストレス発散法を見つけましょう。
ストレス発散法の代表的な例は以下の通りです。
〈ストレス発散法〉
- 軽い散歩などの運動
- 自然に触れる
- 湯船に浸かる
家に閉じこもっているとストレスが溜まりやすいため、意識的に外に出たり、リラックスできる時間を作ったりすることが大切です。ストレス発散法は人によって異なるため、自分に合った方法を見つけて取り入れましょう。
周囲に相談してみる
片付けられないと感じたときは、思い切って周囲に相談するのも大切です。身近な友人や家族に悩みを打ち明けることで、心の負担を軽減できるうえ具体的なアドバイスを得られるケースもあります。
例えば、自分では気づかなかった片付け方法や、効果的なストレス解消法について教えてもらえるかもしれません。
また、相談すると、実際に手を貸してくれる人が現れることもあります。一緒に片付けができれば孤独感も和らぎ、1人で取り組むよりも楽しく作業を進められるでしょう。
カウンセリングや病院を受診する
片付けが全く手につかない場合は、根本的な原因を探るためにカウンセリングや病院を受診するのも1つの方法です。支援機関でのカウンセリングは、専門のカウンセラーが心の状態や生活状況を丁寧に聞いてくれます。
片付けられない理由や心理状態に寄り添ったアドバイスをしてもらえるため、自分自身をより深く理解する助けにもなります。
また、病気を患っている場合は、治療できるよう医療機関を受診しましょう。ただし、本人がカウンセリングや受診を嫌がる場合もあるため、心配しているという相手を思いやる気持ちを伝えるのが大切です。
片付いた部屋による精神状態へのメリット5つ
「部屋の乱れは心の乱れ」という言葉があるように、部屋の状態と心の状態は密接に関係しています。 散らかった部屋では、なかなか集中力が維持できなかったり、イライラしたりすることにつながります。 逆に、片付いた部屋は、心を穏やかにし、精神的な安定をもたらしてくれるでしょう。
片付いた部屋がもたらす精神状態へのメリットは、以下5つです。
- 人間関係が良好になる
- お金が貯まりやすくなる
- 時間にも心にも余裕が生まれる
- 健康状態が安定する
- 自己肯定感が上がる
部屋が整理整頓されていると精神状態にも良い影響をもたらします。
人間関係が良好になる
部屋が片付いていると、気軽に友人を自宅に呼べるうえ快適に過ごしてもらえるため、人間関係が良好になります。また、家族間でも片付いた部屋では自然と居心地が良くなり家族との仲も深まります。
片付けは単に物理的な整理だけでなく、周囲の人々との関係をより良くするために大切な要素の1つです。
お金が貯まりやすくなる
片付いた部屋は、節約や貯金にも効果的です。部屋が整理されていると、持ち物が一目で分かり、必要なものが探しやすいため、同じものを買う無駄な支出が減ります。 また、レシートや明細書なども整理整頓しておくことで、家計管理がしやすくなるというメリットもあります。
また、クローゼットが整理されていると「似た服を持っているから今回は必要ない」と判断でき、衝動買いも防げるでしょう。
時間にも心にも余裕が生まれる
部屋が片付いていると探し物に費やす時間が大幅に減り、心の余裕も生まれます。散らかった部屋で必要なものを見つけるのに時間がかかったことは、誰もが一度は経験したことがあるでしょう。
特に、出勤前などのバタバタした時間帯に必要な物がすぐに見つかると、その分、ゆったりとした時間を過ごせるようになります。
また、部屋が片付いていると日常的な掃除もスムーズにできるため、家事へのストレスも減り、心の余裕が生まれるのもメリットの1つです。
健康状態が安定する
部屋を片付けると、健康状態にも大きなメリットがあります。ゴミやほこりが溜まった部屋では、ハウスダストやカビが発生しやすく、アレルギーや喘息の症状を悪化させることがあるのも事実です。なかでも、ほこりが多いと呼吸器に負担をかけ、慢性的な咳やくしゃみを引き起こします。
部屋を片付けて清潔な状態を保つと、呼吸器系の病気を防ぐだけでなく免疫力が高まるため、健康的な身体を手に入れられるでしょう。
自己肯定感が上がる
部屋を片付けると自分の努力が実感でき、自己肯定感を高められます。部屋を片付けられないと、無意識のうちに「片付けられない自分」と自己評価が下がりがちです。
しかし、整理整頓してきれいになった部屋を見れば大きな達成感を得られ、自分に自信がつくでしょう。 結果的に、自分の価値を前向きに考えられるようになり、自己肯定感の向上につながります。
片付けやすい部屋を作る3つのポイント
せっかく片付けを頑張っても、すぐに散らかってしまう…とお悩みの方もいるかもしれません。 片付けやすい部屋とは、単に見た目が美しいだけでなく、その状態を無理なく維持できる部屋のことです。 そのためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
片付けやすい部屋を作るために、抑えるべきポイントは以下3つです。
- 物を減らして定位置を決める
- 新しい収納用品を購入しない
- 家事代行サービスなどを利用する
ここでは、物が散らかるのを防ぎ、効率的に整理整頓ができるポイントを解説します。
物を減らして定位置を決める
片付けやすい部屋を作るための第一歩は、物を減らすことです。多くの物に囲まれていると物の位置が把握しづらく、片付けが面倒に感じてしまいます。 まずは、本当に必要な物かどうかを見極め、不要な物を処分することから始めましょう。 洋服や本など、使用頻度の低い物は思い切って手放すことも大切です。
また、持ち物を使った後に元の場所に戻しやすくなるように「定位置」を決めましょう。書類は棚に、アクセサリーは引き出しに入れるなどのように、定位置を決めておくと散らかるのを防ぎ、整った状態を維持しやすくなります。 ラベルなどを活用すると、より分かりやすくなるでしょう。
新しい収納用品を購入しない
部屋を片付けようと新しい収納用品を購入しがちですが、結局物が増えて本末転倒になるケースが多いため注意してください。 収納用品が増えても、収納スペースが増えるわけではありません。 まずは、今ある収納スペースを最大限に活用することを考えましょう。
片付けに失敗しないためには、手元にある収納用品を用いて、物の整理を行いましょう。整理整頓するには、引き出しや棚・部屋に備え付けられた収納などを活用するのがおすすめです。
散らかっている部屋では、現状よりも物を増やさないことが、片付けやすい部屋作りにつながります。
家事代行サービスなどを利用する
片付けやすい部屋を作る方法として、家事代行サービスを利用するのも1つの方法です。プロの手を借りると、短時間で効率的に部屋を整えてもらえるため、自身の負担を減らせます。
特に、物が多すぎて片付けの手順が分からない場合や、どこから手をつければ良いか迷う場合には、専門のサポートを受けるのが適している場合もあります。
家事代行サービスは、きれいに片付けてもらうだけでなく、整理整頓のノウハウを学べる良い機会です。自分ではどうしても手が回らない場合は、プロの手を借りるのも良いでしょう。
汚部屋になる前に不用品回収クオーレにご相談ください
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まとめ
片付けられない精神状態には、日常生活のストレスが関与しているケースが多くみられます。慢性的にストレスを抱えているとやる気が出なかったり、集中力が低下したりするため、片付けは後回しになりがちです。
深刻な場合、病気が関わっていることも少なくありません。片付けられない原因が分からずに悩んでいる人は、専門機関でカウンセリングを受けるのをおすすめします。
部屋を片付けられると、人間関係が良好になったり、お金が貯まりやすくなったりと、さまざまなメリットがあります。手間や時間をかけずに部屋をきれいにしたい人は、プロの手に頼るのも良いでしょう。
不用品回収クオーレでは、部屋の片付けを行っています。
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株式会社クオーレ
整理事業部・東海支部支部長
倉持 恵吾
6,000件以上の遺品整理や不用品回収のお悩みを解決してきた現役の遺品整理士。
2017年株式会社クオーレに入社後、4年目にして全支店1位の売上、見積もり成約率で表彰される。そろばん、販売士の資格を活かした幅広い知識で不用品回収から遺品整理、ゴミ屋敷片付けまでお客様の要望に寄り添った解決策を提案している。